新人研修もようやく山を越えた。
今年もたくさんの新人たちと、声を出し、汗をかきながら
全力で研修を行った。
 
いつも思うことだが、研修が終わったときに、自分も受講者達と
同じように、悔いが残らないようにしたいと思う。
 
数日間共にすると、日ごとに成長する姿と、伝えたのに
出来ていないことの両方に気付く。
長い研修期間、場合によっては、週末の休みを挟むと、
元に戻ってしまうこともある。
 
そんなとき、どう伝えようかを考える。
伝えなかったことを後悔しないよう、気持ちを奮い立たせる。
出来てないときには、「出来てない」と、はっきり言い切るように
努めている。
 
先週もそんな場面があった。
教室の中は、静まりかえり、一気に緊張が走るのがわかる。
こちらも全力で伝えているから、声に力も入る。
厳しく伝えられたことで、固まっている受講者もいる。
基本的に、誉めて伸ばす指導を心掛けているので、受講者も
びっくりしたのだと思う。

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ロールプレイを繰り返しながら、出来たことは具体的に誉め、
改善すべき点を繰り返し伝え、「やり続ければ絶対出来る
ようになる！」と伝え続けると、自らやる気と、熱意を帯びて
動き出すようになる。

自分だけの力ではなく、グループメンバーの力を借りて
少しずつ成長する様子は、新人研修ならではの醍醐味だ。
不器用でも、勇気を持って行う様子に、こちらも嬉しくなる。

最後の総合ロールプレイングで、一番出来ていると思われた受講者が
自分の殻を破り、発表する姿を目にし、とても感動した。

この受講者は、器用に出来る分、単にこなしているようにも見え、
一生懸命さが伝わりづらいのが課題だった。
現場で先輩社員に可愛がられるだろうかと、少し気になっていた。

しかし、最後にグループメンバーの前で、必死に大きな声を出し、
「私は、今まで自分のマナーはこれでいいんだと思っていた。
でも、そうではないことを○○さんに教えてもらった」と、
目を潤ませ、自分の気持ちを熱く語る様子に、メンバー全員が
涙を浮かべ、「感動した！」「良かったよ！」と称賛の言葉を伝えていた。

上手く出来た人も、出来なかった人もそれぞれに、相手の心に訴える
とはどういうことかを、理解してもらえたと感じている。

ひるまずに伝え続ければ、受講者の力になる。
一歩を踏み出せば、自分達で変わっていこうとする。
人の伸びしろは、凄いなぁと改めて感動した。

新人研修から、教えられることは大きい。
自分自身も成長しなければと、襟を正す思いだった。

会社の近くの街路樹に目をやると、新芽が出始めていた。
今年、出会えた全ての新人達が、新芽のように爽やかに真っ直ぐ
成長してくれることを心から願う。
見てくれている人は必ずいるから、頑張ってね！！

シニアコンサルタント　秋葉正枝