【ブログ更新】 「どうぞお大事に」
街角の紫陽花が、ひと雨ごとにその色を深める今日この頃。
梅雨は蒸し暑くて苦手だが、雨季に咲く花には雨がよく似合い、
その美しさに心癒される。
「癒される」と言えば、その代表である「病院」。
先日自宅近所の病院で感じたことを紹介する。
支払いを終えて帰ってゆく患者さんに、受付の男性スタッフが
「お大事にどうぞ!」と声をかけた。
正しい言葉遣いでは、「どうぞお大事に」なので、
以前から軽くておかしな言い方だとは思っていたが、
今まではしかたなく聞き流していた。
そのときは、特に「言い方」に大きな違和感があった。
つくり笑顔+甲高い声+後半プロミネンス強+語尾延ばしで、
「お大事にどうぞ~~」だった。
待合室で診察を待つ人たちの間に妙な空気が流れた。
そんな言い方なら言われない方がよい。
「感じよく」ということを勘違いしているのか、
単に癖でそう言ってしまうのか。
いずれにしても、思いやりのかけらも感じられなかった。
これがOJTの現場なら、即座に「メモ+追って指導」を
行うところである。
病院は、他のサービス業と違って、
誰しもが喜んで利用するサービス業ではない。
身体の不調を改善するために、そして、身体の不調で
疲れた心をも癒してもらいたいから行く場所である。
忙しい仕事に追われて忘れがちかもしれないが、
自分の家族や大切な人が、病院に来ていたらその対応をするのか、
という観点で、「患者への心遣い」をもう一度考えてみてほしいと思った。
ちなみに、言葉遣いとしては、
「どうぞお大事になさってください」を、「お大事にどうぞ」と言うのは、
「どうぞよろしくお願いいたします」を「よろしくどうぞ」と言うと同様、
丁寧さを欠いて軽い印象になるので、せめて、「どうぞお大事に」を
お勧めしたい。
次回この病院で、OJTをしてしまいそうな自分が怖い…。
シニアコンサルタント 高橋志伸