本日9月19日は「中秋の名月」。
今週に入って、すでに毎晩月の光が美しいが、
今日も天気が良いので、ひときわ大きく輝く満月が観られるだろう。

中秋の名月は、毎年旧暦の8月15日がそれにあたる。
空が澄み渡るこの時期は最も美しい月が見られるため、
日本では平安時代から観月の宴が開催され、江戸時代から収穫祭として
広く親しまれるようになったそうだ。

現代の日本では、各家庭で収穫物を供えたり、すすきを飾ってお月見を
している家庭はすでにわずかだと思うが、幼いころは自宅で行っていた
記憶がある。

そのまま月を眺めても美しいが、観月台に座って、盃に映る月を愛でたり、
池に映る月を愛でたりするのも、日本人らしい遊び心で素敵だと思う。

ちなみに、季節は違うが、梅の花や桜の花、秋なら、菊の花などを盃に浮かべると、
花も酔うのか強い香りを立ち上らせる。日本酒好きの方にはお勧めだ。

 お隣の中国や韓国では、旧暦がまだ生活に根付いているので、お正月や
中秋節も旧暦で盛大に行われる。

中国では、春節（お正月）、元宵節、端午節とならぶ「中国４大伝統祭り」と
呼ばれている。

中秋節には月餅（中国特有のお菓子＝読み方は「ユエビン」）を食べる習慣があり、
また月餅を贈り合う習慣がある。
月が丸い＝家族円満とかけ、家族が集まって一家団欒の時間を過ごしたりする。

大連と日本を行き来していたころ、この時期になると街中に月餅が溢れかえって
いたことを懐かしく思い出す。さながら、日本のクリスマスケーキである。

お土産はもちろん、日ごろお世話になっている方々と贈り合う。
化粧箱も中国風の絵柄でとても美しく、お値段はピンからキリまでさまざまである。
特に大切な相手には、箱も美しく、中身も美味しい月餅を選ぶ。

中国では、昔から「重たくて大きいもの」が豪華、とされてきたので、
重量のあるものも多い。

中国本土はもとより、台湾や香港でも中秋節が祝われている。
しかしその祝い方は多種多様で、台湾では中秋節は重要な民俗行事であり、
全台湾が休日となる。お月見をして月餅や文旦を食べる習慣があるそうだ。

国や民族によって、祝い方は様々でも、季節の行事を祝うことは、
心が穏やかで豊かであるからこそ、出来ることだと思う。

月は美しいだけではなく、月光には浄化作用もあるそうだ。
家族や親しい人たちの健康と平安を祈りながら、今夜の月を眺めたいと思う。

シニアコンサルタント　高橋志伸

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